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2024/07/01

中国から日用品・衣料を直送 Temuに対抗

米アマゾン・ドット・コムは中国の小売企業が安価な日用品や衣類を米国の消費者に直接配送できる仕組みを取り入れる。複数の米メディアが27日までに報じた。中国発の電子商取引(EC)大手「Temu(テム)」が同様の業態で米国の販売を伸ばしていることが背景にあり、対抗を迫られたかたちだ。
アマゾンがこのほど同社のECサイトで商品を売る中国の出品者に計画を示した。扱うのはスマートフォンケースなどの雑貨や日用品、衣類などだ。中国製の低価格品が大半になるとみられる。米メディア「ジ・インフォメーション」によると、2024年夏に小売業者との契約を始める。
中国の出品者が米国向けに販売する際、現在は米国内のアマゾン物流施設を経由して消費者に届けている。これとは別に中国から直接、消費者に配送するルートを設ける。注文から配達までは9〜11日と、通常のアマゾンの配送インフラを使うより日数を要すると見込む。
中国ネット通販大手のPDDホールディングス(HD)が運営するテムは2022年に始まったサービスだ。低価格を強みに米国でも消費者を取り込んでいる。PDDHDが中国で手がける通販「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」の供給網を生かし、米国に中国製の日用品などを輸出している。
米国では輸入貨物の申告額が800ドル(約12万8000円)を下回る場合に関税が免除され、原産地などの情報を申告せずに輸入できる。テムや中国系の衣料品EC、SHEIN(シーイン)はこの規定を利用しているとされる。米議会で関税の抜け穴を突く手法に批判が出ている。