Topics

トピックス
2024/06/07

トラック1万台共同運送 他社にも開放

日本郵便と西濃運輸が長距離輸送で協業することが5日、わかった。両社のトラック1万台に荷物を混載して運ぶ。他社の荷物の受け入れも検討する。1台あたりの積載率を高め、効率的に運送できるようにする。ドライバーの残業制限に伴って輸送能力が不足する「2024年問題」に悩む物流業界で、大手同士が連携する動きが広がってきた。
物流センターから店舗などへの共同配送は増えているが、物流大手が長距離を全国規模で共同輸送するのは珍しい。
佐川急便がヤマト運輸などと一部地域で共同配送の検証を進めた例はあるが、「荷物の大きさやクール便の温度管理、支払い方法などで違いがある」(佐川)として実用化には課題があった。
日本郵便と西濃運輸はまず積載率の低い区間を洗い出す。その上で順次、共同運送を開始する計画だ。例えば日本郵便が東北にある物流施設から同社の荷物を積んで出発し、近隣にある西濃の物流拠点で荷物を混載する。運送先の地域でそれぞれの物流拠点に届ける。
両社が1日で走らせるほぼすべてのトラックを対象に検討する。発着拠点の使い方や荷物の受け渡し方法など詳細は今後詰める。
両社の中継施設を共同で使えるようにするほか、ドライバーの採用や物流施設の自動化でも協業することで人手不足に対応する。2〜3月に東京―名古屋など5区間で試験的に実施し、全国展開できると判断した。
日本郵便は佐川急便とも共同輸送を手がけている。ただ現状は関東―浜松間や関東―郡山間をトラックで、関東―九州間をフェリーでそれぞれ1日に片道1便のみと部分導入にとどまっている。
日本郵便と西濃は両社以外の荷物も共同で運べるシステムなど物流基盤も整備する。他社に参加を呼びかけ、日本通運など大手の参画も目指す。